ここは、標高2,500m、風速10m/s、大雨で眼が開けられない立山の尾根。
人は自然には勝てない、その意味を初めて、
私は、肌で実感した。
登山計画が始まったのは、半年前。
数少ないたちとも登山部(現状部員5人、随時募集中です)の友人と、どの山を登るのかを検討していた。
彼は、2024年9月に富士山の最高難易度の「御殿場ルート」を共に登頂した仲間だ。
それ以降は、個人活動ということで、別々に山活に勤しんでいた。
今回、選ばれた山は、富山県にある「立山」だ。
基本情報
- 標高:3,015 m
- 山域:北アルプス(飛騨山脈)立山連峰
- 日本三霊山のひとつ(比叡山、富士山と並ぶ)
- 日本百名山にも選定
ルートは、
室堂ターミナル→雷鳥荘(1泊)→別山(2,880m)→内蔵助山荘(1泊)→雄山(3,003m)→室堂ターミナル
2泊3日の立山周回コースを選んだ。
私と彼は、鬼の準備と下調べ、極限までリスクを下げることで、界隈ではチーム内で有名。
だが、今回の私は、前日までにいろいろと予定が立て込んでおり、
十二分の準備をすることなく、登山に向かった(雑魚です)。
当日
登山家を、朝は早い。自宅を早朝8時に出発し、友人を拾う。

ペーパードライバーだから、運転出来ない…




その免罪符が、自分の価値を知らずの間に、落し続けていることに気付けよ…
そんな激詰めの車内。私は7時間ほど運転して、立山駅に到着した。
立山駅から、ケーブルカーとバスで1時間半。室堂ターミナルに到着した。
天気は、雨と風が強く、あまりよろしくはない。



1時間半ほど歩き、初日の目的地「雷鳥荘」に夕方ごろ到着した。
ここは、人気の宿で、温泉とご飯がおいしく、予約もかなり前から取った。
疲労が溜まっていたこともあり、私は、ビール1本と夕食を食べた後…




映画「おおかみこどもの雨と雪」見ましょうYO!!




見るなら、独りで見ろ。俺は寝る。
映画の舞台となった映画を見ようと誘ったのは、私であったが、
血糖値の爆上がりとアルコールの影響で、睡魔に襲われ、20時には爆睡した。
2日日
6時起床。朝は早い。
朝食前に、温泉に入る。硫黄臭い。




硫黄は、厳密にいえば無臭です。正しくは硫化水素臭いです…すいません。硫黄の研究をしていたもので…
この日は、体力勝負になると思った私は、人生史上一番朝ごはんを食べる。



早朝の天気は、曇天で、かすかに晴れ間が見える、そんな様子であった。
いざ、2日目の宿泊地である「内蔵助山荘」に向かう。時間にすると6時間ほど。
日本離れした景色を見ながら、登る、登る。
だが、しかし、ここから雲行きが怪しくなる。
降り始めた雨が次第に強くなる。
こんな経験はしたことがない…と思ったが遠い昔に…




この記事は、私の初登山の記録です…ちょっとオチおもろいのズルいな。
登り始めて2時間経って着いた休憩所の時は、霧が凄く、視界はかなり悪かった。
少し休憩後、我々は、尾根の横断を試みた。
幅は、5,6m。打ち付ける雨風の強さに、危険を感じ、一時撤退。作戦会議をする。
この尾根は、20分ほどで越えれるため、ここを越えれば、何とかなる。
雨雲レーダーの様子を確認しつつ、再度トライする。
標高2500m地点での、雨雲レーダーなど何も意味を為さないことを私は知った。
あまりの風の強さに、立つことができず、友人にも声をかけるが聴こえていない。




今は立つな、座れ!!この場で、10分様子を見て改善しなければ、戻るぞ




休憩所に戻るなら、今の方が良くないですか?




今、行けば吹き飛ばされるかもしれん。お前、がりがりやろ!!
もやは悪口。そんな会話をして、岩陰に隠れて待つ。次第に寒さで、手がかじかむ。
一瞬の隙を見て、我々は、10分ほど離れた休憩所に戻った。
標高2500mで迫られる、Go/No-Go Decision
昔、文部科学省の起業セミナーに行った際に、
現状行っている事業を決行するか、撤退するかの判断をGo/No-Go Decisionと言って、
その判断をするためのテンプレート思考を学んだことを思い出す。
ここでの命題は、「20分頑張って、尾根を越えて宿泊地に向かうか否か?」
我々の意見は…




この尾根は、1時間待って天気が少しでも改善すれば高確率でイケる、そして今日の宿泊地にも行ける。




俺もそう思います。でも問題は…




明日の午前中の天気。だよな…




そうです。周りの人によれば、明日の朝が一番酷いそうです
ここで、さぁ~どうする?
無事、宿泊地に行けても、明日の不確実性がある。天秤にかける。
撤退するならASAPの方が、安全である。終電のバスの時間もある。決断を迫られる。




いっせーのーでで、行くか、撤退か言おうぜ!!




良いっすよ
青春の1ページみたいな決め方だなと、今になって思う。




せーの…




撤退!!




撤退!!
英断だが、悔しくないわけがない。
だって、あと、ほんの少しなんだぜ…
周りの多くのグループも同様の判断を迫られており、
その中でも我々は、早期決断し、下山を決めた。
その成功体験は、本質的に成功っていえる?
我が部のゴール(俺だけです)は、
- 日本百名山の制覇
- 独立峰としては世界一の山、キリマンジャロ(5,895m)の登頂
その背景があって、
今の実力が伴っていない状況で、
仮に無理をして、この山を登頂したとする。それは、本当に登頂成功したと言えるのだろうか?




それって果たして、本質的な成功だと思う?




rhgoakfarjogjar@g
これからの登山人生で同じような、いや、もっと環境の悪い状況に間違いなく出くわすことになるだろう。
その際に、
仮に成功体験しかない世界線の我々は、前回の成功体験を盾に、何度も挑戦することになる。
その挑戦を100回繰り返して、一度も事故がなく、イける可能性はあるのか?
答えは、わからない。
だが、「撤退して下山するという選択肢を選んだ経験がない」というのは、
いずれの必ず自分の首を絞める羽目になる。
もっと、マクロに先を見据えて、考える癖を。短期的な成功ではなく、長期的な成功に目を向けよう。
自然には勝てない。人は簡単に死ぬ
前述で、偉そうなことを書いたが、
実際、今回の状況が目の前に広がっていた場合、たぶん誰でも撤退するし、
プロなら、そもそもこの状況で、この日に登り始めていないだろう。
尾根で、雨風に打ちひしがれ、寒さに凍えていたとき、ふと思う。




人って、簡単に死ぬんだな…
これまで、いろんな稀有な経験をしてきたと自負しているが、
それでもこの自然の前での無力さと怖さは、初めてだった。
自分の生死が、自然の運に委ねられている感覚。
突風が吹いて、吹き飛ばされたら間違いなく死ぬ。
我々が、帰りの車で反省会をしているタイミングで、
前日に自分たちが通るルートで、死亡事故があったとい悲報が流れてきた。
人は、簡単に死ぬ。だから今に集中して、後悔のない選択を取るのが大切なのだと思う。
もっと、強くなりたい
きっと今の私なら、鬼になるために血を呑むだろう。




ジョッキ3杯をイッキして、上弦の鬼に仲間入りです。猗窩座もびっくりです…
やはり、なんやかんや、
物理・精神的・知的・経済的にも強くならないといけないのです。
そうじゃないと、自分がしたいと思ったことができない。ないしは、成功確率が低くなってしまうのだなと。




この前、クラブでゴリマッチョのイカツイあんちゃんに絡まれて、鬼の平謝りしました…
物理的に強くないと、守りたい人を守れないだろが!!




アニメの主人公みたいなセリフ、一度は言ってみたいですね笑
この貪欲さを忘れることなく、日々の生活を送りたい所全ですね。
まとめ
もっともっと、書くことはあるのですが、急遽別件が入ったので、この辺で終わります。
この内容の詳細は、来年か、半年後にYouTubeで動画を上げるので、
是非、チャンネル登録してお待ちを…
では、また。
百名山の内、10座の登頂に成功しました。
Why: 何事も初めは小さな一歩からです。
Bucket List-248
How: 日本にいる限り、やはり自然を感じることが一番価値あると感じたから
Done: 大山, 宮之浦岳(屋久島), 富士山, 石鎚山, 大台ヶ原山の登頂に成功、立山雄山(断念)