「今度、バングラデシュのダッカ行くねんけど、一緒にいかん?」
そんな、晩飯を誘うような言い方に
ラーメンでもいいか?と言わんばかりの軽いノリで「いいよ」と
私は、その誘いに乗った。
航空券は、1ヶ月前予約なら、10-15万で渡航可能であった。
だが、中国経由(関空→上海→昆明→ダッカ)の2回乗り換えで24時間、
トータルで30時間弱かけると、衝撃の4.5万という破格のルートが存在した。
「楽さ」は、お金で買えるが
この「辛そうな」経験は、値段を付けられない、
きっと「今」しか出来ないことであると確信した私は、
友人とは現地集合、現地解散を選択。
中国経由のかなりタフなルートを使った
未開の地、バングラデシュへの旅が始まった。
トラブル最頻発、過去最高難易度の入国
選ばれた航空会社は、リスケや欠航が多いことで有名な「中国東方航空」。
初めは、4.5万で予約していたのに、謎のキャンセルが2度も重なり、
気づけば、6.5万まで航空券の値段は跳ね上がってしまった。
自分自身、今までにない経験で、なんか嫌な予感がする。
人生で初めてロストバゲージ保険をかけて、空港にイン。
無事、チェックインを済ませ、搭乗を待っていると、
「〇〇便に搭乗予定のたちばなともゆき様、お尋ねしたいことがありますので・・・」
関西国際空港中に鳴り響く。
自分の名前に一瞬、自分の名前がわからなくなる。
どうやら、度重なるキャンセルのせいで、
以前予約した渡航先に間違えて、荷物を載せてしまったらしい。
ロストバゲージ保険に入っていたので、寧ろ無くなって欲しかったです。
何が起きているかは、よくわからなかったが、
最終的に問題は解決し、無事出国。
第一関門の上海でのトランジット。
以前に一度したことがあったため、問題ないだろうと思っていたが、
そんな自分の甘い考えを、この国は許さなかった。
沈黙が支配するトランジットを手続きの最中、
「行きと帰りのチケットを見せろ」と言われた私は、
スマホにダウンロードしていた
キャンセルした「北京」で乗り換えるチケットを見せてしまった。
きっと、疲れてて確認を怠ったのだろう。
「ここは、上海だ!!お前はなぜここにいる??」
事がどんどん大きくなる。
ここで大切なことは冷静さを保つこと。
一つ一つ、丁寧に説明するがどうも伝わらない。
「あっちに行け」と言われ、列を離脱する。
このままでは、ドラマでよく見る別室行きでぼりぼりに調査されると思った私は、
近くの職員を捕まえ、無理やりWi-fiをゲットするも、
そーいや、上海ではいつも使っているアプリが使えないことに気づく。
頭を使う。冷静に・・・
PC内にダウンロードしていたe-ticketを見せ、
かなりの時間をかけて、関門を突破しようやく入国・・・
と思った矢先、また職員に止められる。
ここでパスポートを取られて30分ほど、謎のチェックをされる。
そんななか、私の隣に関空から全く同じ便でダッカに向かう、
同じ境遇のバングラデシュ人一家がいた。
職員に取り締まりをされている際に、
日本語を少し喋っていることに気づいた私は、
特にすることもないので、話しかけた。
ここで一体、何が起きているんですかね??
わからない、この国は世界一あほだから。
かなりの物言いに笑ってしまう。
と同時に、この2ラリーでその語学力の高さに驚く。
話をするなかで、中国「昆明」の空港で空港泊するのは、危険だと忠告を受けた
私がいつも泊まるホテルに来なさい、部屋を取ってやる
「知らない人には付いていってはダメ」という幼少期からの教えは
私の好奇心に打ち勝つことが出来なかった。
上海から、中国の田舎町である昆明に着いて、
くそ汚いバンに揺られて、
狭く、暗い道を走ること、30分。
スマホが文鎮になったから、自分が地球のどこにいるかわからなくなりました。
時刻は夜の1時半。無事、ホテルに到着。
ここから、衝撃の夕食タイムが始まる。
用意された夕食を初めて会ったバングラデシュ人と他のホテル客と食べる。
異様な空間。みんな静かに、手で食べてる。
そういえば、南アジアはそういう文化か、、
昔、インドに行った記憶が蘇る。
夕食後、部屋へ。特にすることもないので、就寝。
朝起きて、朝食をとる。朝からしっかり重めのインド系料理。いらんなぁ・・・
軽く散歩し、中国の田舎町の雰囲気を知る。
中国の貧富の差が大きいこと、就職氷河期である現状は、実際に自分の目で見ればわかった。
その後、空港に向かう。
ここで再度トラブル。
またもや、初めに取ったチケットがちゃんとキャンセルされていないという・・・
中国人職員勢から信じられないくらい猛追される。
だが、しかし私もこれまで幾度となく、こういう場面に遭遇してきた。
困難は乗り越えれば、想い出。
脳に刻んでください。
いざ、勝負です。
長時間かけて、ゆっくりロジカルに説明する。
チケットの有無、なぜ昆明にいるのか、VISAのこと、渡航目的、所持金の有無。
だがしかし、何度も何度も、説明しても何故か伝わらない。
心が折れる音がした。
そう思ったが、私は独りではなかった。
私には、偶然出会ったバングラデシュ人御一行とホテルの管理人達がいた。
朝一の静寂の空港。
私は、自らの未来を彼らに託した。
バングラデシュ人御一行 with 激雑魚日本人 VS 中国人職員勢
この世界に、こんなにも頼りになるチームがあるのだろうか。
恐ろしいばかりの物言いでことが進む。時間はかなりかかったものの、
無事、チェックインを済ませることができた。
どうやら、情勢的にも中国と日本が仲良くないため、その分、チェックが厳しいそうだ。
彼らと感動の別れをし、
私はなんとか中国を出国し、バングラデシュに降り立った。
ここまでは、想定外のトラブルだった。
ここからは、想定内のトラブル。
入国VISA問題だ。
VISAは、入国前に取るか、イミグレーション手前でアライバルVISAを取るか
どちらかを選択する必要がある。
私は、費用面から考えてもちろん後者を選択。
飛行機を降りて、手続きをする場所へ。
中国人職員から50ドル必要だ、と言われていたこともあり、
併設されている両替所に並ぶこと20分。
バングラデシュ人職員が話しかけてくる。
お前は、日本人か?
どうみても、日本人だろ!!
そう答えると、手続きの仕方を丁寧に教えてくれ、なんと50ドルも必要ないという。
あの中国人、マジで適当なことばっかりぬかしあがって・・・
日本人ボーナスは、国外の秘境に行くほどデカくなる。
VISAの紙を書き、列に並ぶこと、20分。
最後の難関が来た。
というのも、ここでは宿泊施設の領収書であったり、滞在目的の招待状等が必要となる。
私は、友人宅に泊まるため、そういう類の書類は一切ない。
間違いなく、詰められるだろうと思っていた矢先、しっかり詰問開始。
肩慣らしで、とりあえず列から外れさせられる。
とりあえず、適当にその辺の職員捕まえて、事情を説明するが、
それは、知らん。ホテル取れ
と言われる。
弟子やったら、パンパンやなお前・・・
Wi-fiがあれば、何とかなると思い、執念でWi-fiを獲得。
再度、列に並び、職員と友人との謎の通話を傍観すること、数分。
再度、列から外れ、並びなおし、なんかいろんなことをして、
ようやく、スタンプがポンッ・・・
あふれ出る、脳汁。
Have a good journey!!
あれだけ、厳しかった鬼職員の満面の笑みが忘れられない。
こうして、私は、家を出てから31時間。
ありとあらゆる困難を乗り越え、
ようやく、バングラデシュの首都「ダッカ」に降り立った。
まとめ
移動だけで、ある意味で旅行一つ分ほどの内容だった。
日本からバングラデシュへの入国だけで、多くの学びを得た。
- フッ軽でい続けよう。ベースは経済力と時間の余裕です。
- お金で買えない経験はあります。この空路はもう2度と使いません。
- 知らない人についていく時の千里眼を持とう。今回が運良かっただけです。
- 語学学習はし続けよう、能力が落ちると自己防衛がマジで出来ません。
- コミュニケーション能力を高めよう、どうやるかは知りません。
- 鬼気たる演技ができるようになりましょう、何事も交渉と覇気です。
- 日本人ボーナスは実在します。
- 人に頼れることは強さです、ピンチの時はその辺の人を捕まえよう
- 一期一会を、縁を大切に。俺のHERO達は元気かな。
値段を10万弱、節約し、身体を酷使した結果、
その成果報酬として、
多くのこと経験し、また一歩、私は強くなった。