私はたまにパチンコに行く。

私は、たまにパチンコに行く。

この年になってパチンコに行くのは、そこそこ珍しい。

パチンコに行って周りを見て気づく。

パチンコにいるのは、やんちゃそうな若造とじじいとばばあ。相変わらずの治安の悪さ。

そして、筋トレ終わりの明らかにパチンコに行くやつとは思えない服装をしている私。

台を選ぶ。新しく出たエヴァの台は空いていない。店内を巡視し、台に座る。

人生は逆張りの方が強いが、パチンコは順張りの方が強い。

という謎理論で武装された思考をバジリスクにぶつける。

戦いのはじまり。

衝動で来たパチンコにいくら費やせるかで、

今の自分の金銭感覚を確かめれるという謎理論をぶつける。

数分で1000円が吸い込まれる。まだ余裕。

ものの数分でまた1000円、また1000円とどんどんなくなる。

心が痛む。この痛みは、1000円の価値を知っているからだと、自分に鞭を打ち、

さらにお金を入れていく。気が付けば、6000円がなくなった。

財布を見る。4万ある。まだ十分戦える。

逃げちゃだめだ。と近くのシンジが言っている。

戦いはこれからだ!!と思った瞬間、我に返る。

私は、一体に何をしているのだ。こんなところで。

罪悪感と自己嫌悪で目の前が真っ暗になる。

盲目になりながらも、なんとか出口にたどり着く。

思考の大波に浚われ、溺れる。この6000円で一体何ができただろう。

うまい晩御飯、5、6冊の本、映画館4回分、気になる家電。

ありとあらゆる機会損失をしたのだと実感する。

稼がなきゃ。稼ぐしかないんだ。そう心に決め、帰路に立つ。

これがたまにパチンコに行く理由。

次行くときは、間違いなく勝てると思う。

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