【東南アジア遠征#11】この勝負、もう諦めてもいいですか?

ラオスの首都から目的地まで、特急列車に乗り、約2時間。

早朝7:30発で、ホテルから駅までは17分。

朝ご飯を食べることを考えると、6:00-6:30に起床し、6:45分にホテルを出れば間に合う。

そう思っていた。

無事、時間通りにホテルを出発し、タクシーを探す。

たが、思ったよりすぐ見つからない。ここがラオスだからか。

ホテルで予約しなかった自分を悔いる。

ここで粘ってタクシーを探すか、そこらを走るトゥクトックと呼ばれる三輪車に乗るか考える。

直感的にトゥクトックを選んだ私は、ドライバーに目的の駅を言う。

目的地は、タイから入国し、チケットを買った駅だ。

距離を理由に断られるが、そんな時間はない。

時間がないから、なんとかしてくれと言うと、

別のドライバーに繋いでくれた、ここでビジネスが生まれたと思い、トゥクトックに乗り込む。

たが、走ってすぐ気づく、この原付ペースでは間に合わない。

なんなら、マップとは異なる方向に向かっている。

本来なら昨日、目的地には着いていたはずだが、自分の詰めの甘さゆえに、

ホテル代を追加で払ってしまった。これ以上のミスは許されない。

ドライバーの肩を叩き、トゥクトゥクを路肩へ寄せる。

目的地の再確認と7:30発の列車に乗る旨を伝える。圧をかけた甲斐があったかはわからないが、

目的地は自分の勘違いのようで、乗車予定の駅にちゃんと向かっていた。

だが、それでも到着予定時刻は7:25。

このオヤジも飛ばしているのはわかるが、車とはまるで馬力が違う。

遅い。なんとか7:24分に到着。間に合った。

入り口に向かうが、日本とは違い、空港みたいな手荷物検査があり、100人以上並んでいた。

この勝負、ここで終わった。

ラオスではミスばかりだ。

あまりミスは気にしない性格だが、ミスってはいけないタイミングでのミスは、訳が違う。

自己嫌悪になり、スーパーバットモードに突入しそうになる。

そのとき、心の声が聴こえてくる。まだ諦めるには早くないか、と。

私は、常軌を逸したがめつさで、100人以上の行列をごぼう抜きし、先頭に割り込んだ。

これで間に合う。

手持ちのQRコードを職員に見せると、チケット売り場に行けと言われた。

なんでだよ。なんでなんだよ。

頭の理解が追い付かない。

猛ダッシュでチケット売り場に向かうも、そこにも大名行列。

待てども待てども、列は、全く進まない。先頭の中国人集団がごたついている。

7:29。私は諦めた。

意外と、諦めると清々しいんだなぁと新たな発見に驚きつつも、代案を考える。

別の列車は夕方発。それまで何もないこの駅でステイするか、

いっそのこと行くのを諦めて、何もない首都に戻るか。また選択を迫られる。

目的地に行っても滞在時間は14時間ほど。

これは、どこにも行かず、ここでボケーっとするのがいいのではないか。

そんな悲壮感漂を感じたのか、

前に並んでいたおっさんが私のチケットを奪い取った。

チケットと時計を見るなり、おじさん3人衆は声高い笑った。

全てを理解したようだ。抜かしていいぞと背中を押す。

列車は乗り過ごしてるし、夕方の列車なら電光掲示板が示している通り、

24席も余ってるから、この優しさは誤差。その優しさが辛かった。

この諦めない男の助太刀で、私は、再度ごぼう抜きし、行列の先頭に立っていた。

チケットを渡すと、職員が黙々とキーワードを叩く。

すると、PCの画面が黄金に光出す。

8:42の列車に空きが出た。

私は、何が起きたか理解できなかったが、奇跡的にその列車と変更することができた。

諦めない漢が、諦めた男を助けた瞬間だった。

物事は、本当に最後の最後までどう転ぶかわからない。

礼を言おうと振り向いたが、そこに諦めない漢の姿はなかった。

【東南アジア遠征#12】物事の本質は、すぐにはわからない。

私は、ラオスのルアンパバーンで朝5時から、散歩に出かけていた。 理由は、僧侶達の托鉢と呼ばれる 僧侶が、住民や観光客からもち米等のお供え物を受取る様子のことであり、 それを見るためにこんな朝早くから町ブラをしているというわけだ。 この街は、

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