【達成】街頭インタビューを受ける or モデルになる

今日は、4打数4三振。

別れ際の捨て台詞に、兄に言い放つ。

我が邸宅から車で一時間のところに兄が住んでおり、

近所の露天風呂に定評がある温泉がリニューアルしたから、行こうと声を掛けられた。

わざわざ、俺に声をかけた理由は、

1人1枚限り、先着100名で回数券１０枚を半額で買えるからだ。

値段にして4000円お得。２人なら、8000円お得。

さらに、会場で配られるうちわをゲットしたら、当日は半額で入れたり、

野菜の詰め放題等のイベントもやっている。

これなら、行ってやるかと思い、11時オープンなので、

日曜の朝から重たい身体に鞭を撃ち、８時半に家を出て、車で1時間走らせた。

こういう類の勝負は、田舎の老人勢が強いから、早めに行く必要がある

今考えると、フリが効きすぎたセリフを兄は発する。

期待に胸を膨らませながら、大自然の田舎道を進む。

試合会場に着いた瞬間、嫌な予感がする。人が多すぎて駐車できない。

焦った俺は、車を降りて、温泉の入り口に向かう。

目の前に見えたのは、回数券売り切れの文字。

いや、売り切れるの早すぎるし、整理券配布ならそう言えよ。

これが１つ目の三振。

半ギレのまま、野菜の詰め放題に向かう。

来た時間が遅すぎたのか、形の悪すぎる、かつ小さすぎる野菜しかなかった。

車を駐車した兄にそう伝えて、野菜の詰め放題も諦める。

二人で仲良く落胆する。

これが2つ目の三振。

周りの人が持っているうちわを手に入れて、入場料半額で温泉浸かって帰ろう。

そう言い残した兄は、運営にうちわをもらいに行った。

戻ってきた兄は、悲しそうな嬉しそうな顔をしていた。

うちわの配布は終了したって。

これが3つ目の三振。

野球なら、もう次はない。レギュラー剥奪確定案件。

開店まで猛暑のなか、入り口付近で待つ。

中国新聞が取材に来てるな、これは載って帰らないといけんでな

そんなたわいもない会話をする。ようやく開場。

入場券を券売機で購入し、場内へ。楽しみにしていた露天風呂へ。

そこには、大きな張り紙が・・・

「本日は場内のみの営業となります」

これで本日4つ目の三振。

俺はいったい、何をしにここまで来たんだろう。日曜の朝早くから。

大浴場でそんな話を兄としていると、カメラマンの人が声を掛けて来た。

入り口にいた中国新聞の人だった。

入浴シーンの写真を撮りたいから、自然な表情でいといてください。

俺らは、かなり落胆していたが、

どうせならと思い、悲しみを超えた満面の笑みを浮かべた。

その後、そそくさと浴場を後にし、ごはんを食べて、帰路に付く。

帰り際に、進撃の巨人のワンシーンを置き土産に兄に言い放つ。

今日は、4打数4三振、なんの成果も得られませんでした！！

1時間掛けて、友人と電話しながら、自宅に帰る。

まぁ、こういう日もあるか。そんなことを思いながら、家に到着した。

すると、しばらくして兄から、一報が届く。

中国新聞に載ってるで！！！

5打数4三振、1逆転サヨナラ満塁ホームラン。

何事も諦めてはいけない。お金よりも貴重な想い出が出来た。